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さんまの名産地はどこ?水揚げ量ランキングと旬の楽しみ方

さんまの名産地はどこ?水揚げ量ランキングと旬の楽しみ方

秋の気配がしてくると、無性に食べたくなるのが「さんま」ですよね。脂の乗った焼き立てのさんまを想像するだけでお腹が空いてきますが、最近はスーパーでの値段を見て「昔より高いな」と感じたり、小ぶりなものが増えたような気がして、どこのさんまを買うのが正解なのか迷ってしまうこともあるかもしれません。

せっかくなら、さんまの名産地として知られる地域の美味しいものを食べたいですし、不漁と言われる今の状況で、どこに行けばお祭りのような活気を味わえるのか気になるところです。私自身、毎年この時期になると水揚げ量のランキングをチェックしたり、今年の資源動向はどうなっているのかを調べて、一番脂が乗っている「旬」を逃さないようにしています。

この記事では、さんまの名産地を詳しく紐解きながら、近年の漁獲状況や美味しい個体の見分け方について、私の視点から分かりやすくまとめてみました。これを読めば、今年の秋に最高のさんまを楽しむためのヒントがきっと見つかるはずですよ。

  • 都道府県別の漁獲量ランキングと主要な漁港の特徴
  • 時期や回遊ルートによる脂の乗りと味の違い
  • 深刻な不漁の背景にある海洋環境の変化と価格動向
  • 美味しいさんまの選び方と地域ごとの伝統的な食べ方

さんまの名産地はどこ?水揚げ量ランキングと地域の魅力

さんまの名産地はどこ?水揚げ量ランキングと地域の魅力

日本全国で愛されるさんまですが、実は水揚げされる場所によってその特徴は大きく異なります。まずは、どの地域が「名産地」として日本の食卓を支えているのか、その勢力図を見ていきましょう。

さんま漁獲量1位を誇る北海道根室と釧路の底力

さんまの名産地といえば、やはり北海道を抜きには語れません。特に道東に位置する根室港(花咲港)釧路港は、日本を代表する拠点として知られています。さんまは北の冷たい海でプランクトンをたっぷり食べて南下してくるのですが、日本の沿岸で比較的早い時期にその群れを迎えるのがこのエリアです。

北海道は年によって変動はあるものの、全国のさんま漁獲量のおおよそ4割前後を占めることが多く、依然として最大の水揚げ地域のひとつです。まさに「さんまの一大産地」と呼ぶにふさわしい場所ですね。

特に8月から9月にかけて水揚げされる「初物」は、丸々と太っていて脂の乗りが良い個体が多いのが特徴です。地元の方に聞くと、この時期のさんまは焼くと脂で火が強くなるほどだとか。鮮度も高く、地元ならではの食べ方も豊富にあります。

都道府県主な漁港特徴・傾向
北海道根室港、釧路港全国トップクラスの水揚げ量。比較的早い時期に漁が始まる。
宮城県気仙沼港、女川港10月前後に水揚げが増える年が多い。加工品も有名。
岩手県大船渡港三陸沖の好漁場に近く、品質面で評価が高い。
福島県小名浜港年によって水揚げ量に変動があるが重要な拠点。

三陸沖の豊かな海が育む岩手県や宮城県のブランド魚

北海道を過ぎたさんまの群れが次に目指すのが、岩手県や宮城県の三陸沖です。ここは親潮と黒潮がぶつかる世界有数の漁場として知られており、栄養が非常に豊富。ここで獲れるさんまも、品質の高さで知られています。

宮城県の気仙沼港や岩手県の大船渡港は、シーズン中盤の主役となることが多い港です。北海道産に比べるとやや時期が後ろにずれますが、その分、身が締まって味が濃いと感じる人も少なくありません。三陸の漁師さんたちは魚を丁寧に扱う技術にも定評があり、市場での信頼も高いのが特徴です。

本州最南端まで続く回遊ルートと時期による味の変化

8〜9月の北の海ではプランクトンを蓄え脂が絶頂で塩焼きに最適だが、10月以降の南下ルートでは産卵準備で身が引き締まり、さっぱりした「さんま寿司」に適した肉質になることを解説する比較図。

 

さんまは季節が進むにつれて徐々に南下していきます。10月下旬頃には千葉県の銚子港周辺、さらに11月以降になると三重県や和歌山県の熊野灘方面まで回遊する年もあります。

北の海で蓄えた脂は、南下して産卵の準備を進める過程で少しずつ消費されていきます。そのため、南側で水揚げされるさんまは、脂が控えめでさっぱりとした肉質になる傾向があります。これを「味が落ちた」と捉えるのではなく、その地域ならではの味わいとして楽しむ文化が根付いている点は、日本の魚食文化の奥深さを感じさせます。

近年の深刻な不漁とさんまの値段が高騰している理由

かつての100円から300円以上に値上がりした価格動向と、海水温上昇による回遊ルートの変化、漁場の遠隔化による燃料費高騰、外国船との競合など不漁の背景を説明するイラスト。

近年は「さんまが獲れない」というニュースを耳にする機会が増えています。実際、2020年代初頭には過去最低水準の漁獲量を記録した年もあり、厳しい状況が続いてきました。かつては1尾100円以下で購入できた時代もありましたが、近年はスーパーでも1尾300円前後、状況によってはそれ以上の価格になることも珍しくありません。

資源量や漁獲状況によって価格は年ごと・時期ごとに大きく変動します。直近では一部で回復傾向が見られる年もありますが、以前のような安定供給が続くとは限りません。

この価格上昇の背景には、漁獲量の減少に加え、燃料費や流通コストの高騰など複数の要因が重なっています。私たち消費者にとっては負担に感じる部分もありますが、貴重な資源を大切にいただくという意識を持つきっかけにもなっているのかもしれません。

海水温上昇や外国船との競合が資源量に与える影響

不漁の要因として指摘されているのが海洋環境の変化です。さんまは冷たい水域を好む魚ですが、近年の海水温上昇により、回遊ルートが従来より沖合や北側へ変化していると考えられています。その結果、日本近海での漁獲が難しくなり、操業コストも増加しています。

また、公海で操業する外国漁船との競合も影響の一因とされています。ただし、資源量の減少は単一の原因ではなく、海洋環境、国際的な漁獲状況、資源管理の課題などが複合的に関係していると考えられています。

さんまの名産地から届く旬の味覚と美味しい選び方のコツ

不漁や価格上昇といった課題はあるものの、旬のさんまの美味しさはやはり格別です。ここからは、名産地から届くさんまをより美味しく楽しむためのポイントをご紹介します。

鮮度抜群の刺身や塩焼きで楽しむ北のさんまの脂の乗り

脂が乗った北海道産や三陸産のさんまを手に入れたら、まずは王道の塩焼きがおすすめです。皮が香ばしく焼け、脂がじゅわっと溢れ出す味わいは、白いご飯との相性も抜群です。近年は流通技術の向上により、産地以外でも鮮度の良いさんまを刺身で楽しめる機会も増えています。

さんまの脂にはDHAやEPAが含まれているとされ、栄養面でも注目されています。刺身で食べる際は生姜や大根おろしを添えると食べやすくなります。

脂質含有量が高い個体は、口の中でとろけるような甘みを感じられることもあり、まさに旬ならではの魅力と言えるでしょう。

三重や和歌山に伝わるさんま寿司と独自の食文化

脂が控えめになった南方のさんまは、三重県や和歌山県では「さんま寿司」として親しまれています。脂が少ないからこそ酢で締めた際に重くならず、さっぱりとした味わいになるのが特徴です。

地域によっては、背中から開くなど独自の調理法が伝えられており、北と南で異なる食文化が育まれてきました。一尾の魚から地域ごとの知恵と工夫が感じられる点も、さんまの魅力のひとつです。

プロが教える新鮮なさんまの選び方と鮮度を見抜くコツ

お店でさんまを選ぶ際に私が意識しているのは、「体型」と「クチバシ」です。以下のポイントを押さえることで、状態の良い個体を選びやすくなります。

美味しいさんまの見分け方ポイント

  • クチバシの先が黄色い:鮮度が良いものに多く見られます。
  • 小顔で胴回りが太い:脂がしっかり乗っている可能性が高いです。
  • 目が澄んでいる:濁りの少ないものを選びましょう。
  • 身にハリがある:持ち上げたときにしっかりしているものが理想です。

鮮度の証である「黄色いクチバシ」、脂乗りのサインである「小顔で盛り上がった背中」、鮮度の良い「張りのあるお腹」、濁りのない「澄んだ目」の4点を写真と共に解説したチェックリスト。

近年は「冷凍さんま」も多く流通していますが、旬の時期に急速冷凍されたものは、時期外れの生鮮品より美味しいと感じることもあります。

産地の鮮度を家庭で守る正しい内臓処理と保存の基本

良質なさんまを購入したら、家庭での保存も重要です。さんまは傷みやすいため、できるだけ早く処理することがポイントになります。

  1. 内臓を取り除き、血合いを丁寧に洗う。
  2. キッチンペーパーで水分をしっかり拭き取る。
  3. 1本ずつラップで包み、冷蔵またはチルド室へ。

内臓部分から傷みやすいため、この工程を行うだけで保存性が向上します。冷凍保存についてはさまざまな考え方がありますが、できるだけ早めに食べるのが理想的です。

内臓から傷むのを防ぐための「即ワタ抜き」の方法と、鮮度を活かした刺身、王道の塩焼き、旬の味を閉じ込めた冷凍さんまの魅力についてまとめたスライド。

目黒のさんま祭りなど各地で開催される人気のイベント

さんまの季節を盛り上げるのが、各地で開催されるさんま祭りです。東京の「目黒のさんま祭り」は特に有名で、岩手県や宮城県などから提供されたさんまが振る舞われる秋の風物詩として知られています。開催時期や内容は年によって異なるため、事前確認が必要です。

産地である北海道の「根室さんま祭り」なども、地域の人々の熱意によって支えられています。こうしたイベントは、さんま文化を次世代へ伝える大切な役割を担っています。

資源を守り次世代へ繋ぐさんまの名産地の豊かな未来

さんまの名産地を巡る話はいかがでしたか。北海道から三陸、そして南紀へと続く回遊の物語は、日本の食文化そのものとも言えます。近年の不漁は、自然環境と人の営みのバランスの大切さを改めて考えさせてくれます。

これからもさんまを美味しく楽しむためには、産地の背景や資源の現状を知り、感謝しながら味わうことが大切です。スーパーでさんまを手に取ったとき、その一尾が辿ってきた長い旅に思いを馳せてみてください。

根室や目黒のさんま祭りを通じた文化の継承と、環境変化を知ることで深まる味わい、そして一尾のさんまがもたらす季節の喜びに感謝を込めた結びのメッセージ。

※本記事に記載している漁獲量・価格・資源状況などの情報は、一般的な傾向や報道、公開資料をもとにした目安です。年や地域によって状況は大きく異なる場合があります。正確で最新の情報については、必ず水産庁や各自治体、公式機関の発表をご確認ください。

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